内科

内科について

発熱や咳、くしゃみといった風邪の症状から、下痢や腹痛、吐き気などの胃腸の不調など、体調に異変を感じたら、まず内科をご受診ください。また、頭痛やめまい、胸の痛み、肩こり、筋肉痛、腰痛など、時折感じる症状が長く続いていたり、いつもと違うというような違和感を覚えたら、一度、ご相談ください。原因がわかることで不安がなくなってすっきりしたり、また何か病気が隠れていた場合には早期発見・早期治療につながります。

当院では、地域のかかりつけ医として、お子様から働き盛りの大人の方、高齢者の方まで、幅広く診療を行っています。それぞれの患者様に丁寧な問診を行い、症状についても詳細に観察し、検査が必要と判断した場合は、各種検査を行って、診断をつけ、適切な診療を行っていきます。またより高度な検査機器による検査や、入院加療が必要と判断した場合は、専門病院や総合病院等の医療機関と連携し、紹介するなど、かかりつけ医として、適切な医療にアクセスできるよう、地域のプライマリケア担っていきます。

また、診療に当たっては、急性疾患のみならず、慢性的な疾患、たとえば高血圧・脂質異常・糖尿病などの生活習慣病等の診療も行っています。これらは動脈硬化を招き、重篤な心疾患や脳疾患につながってしまうものです。健康診断等で指摘された場合、お早めにご相談ください。当院では患者様の生活環境や生活習慣までを視野に入れ、薬物療法はもちろん、生活習慣改善のサポートもいたします。

このような症状がありましたら、内科をご受診ください。

内科の主な対象疾患例です

急性疾患

• 風邪
• インフルエンザ
• 咽頭炎
• 扁桃炎
• 気管支炎、肺炎
• 胃腸炎（腹痛、下痢、吐き気、嘔吐）
• 尿道・膀胱炎
• 熱中症 など

慢性疾患

• 生活習慣病（糖尿病高血圧、脂質異常症（高脂血症）、痛風（高尿酸血症）、メタボリックシンドローム等）
• 貧血
• 頭痛
• 便秘症　など

循環器病について

特に心臓病や不整脈など、循環器系の疾患、心臓等に不安のある方はお気軽にご相談ください。

こんな症状がありましたら、早めにご受診ください（例）

※このほか心筋梗塞では広範囲で痛みが生じるため（関連通）、腕や肩、歯、あごが痛いと感じる方もいらっしゃいます。

循環器内科でみられる主な疾患

漢方について

漢方による治療をお考えの方、あるいは漢方について知りたい方は、ご遠慮なく、お問い合わせください。

日本に中医学（中国の伝統医学）が伝来したのは、5～6世紀ごろと言われています。漢方はこの中医学を基に、日本の気候や風土、日本人の体質や生活習慣に合わせ、日本独自で発展し、確立していったものです。

漢方において処方される漢方薬は、「生薬」と呼ばれる自然界の植物や鉱物などを原料としたもので、原則として複数が組み合わされています。組み合わせにより、どんな効果があるのか、長年にわたる治療の経験により、体系化された処方があります。これらは、厳密に条件が決められており、健康保険が適用される「医療用漢方製剤」として、約150処方が承認されています。日本では漢方薬と西洋薬を一緒に処方することができます。

例えば細菌やウイルスになど、原因がはっきりとしたものは西洋医学の得意分野ですが、虚弱体質や胃腸の不調、不眠やうつなどの精神症状、アレルギー疾患や更年期障害など、原因がよくわからなかったり、慢性的であったりするものは、心や体の調子を整えるということで、漢方の効果が期待できます。当院では、医師が患者様お一人お一人の体質や病歴など、身体の状態を診察し、漢方薬も含めた選択肢の中から、処方を行っていきます。

生活習慣病について

人が病気になる原因として、大きく「外的要因」「遺伝的要因」「生活習慣要因」の３つが考えられています。「外的要因」は、細菌やウイルス、有害物質、さらにはストレスなどが原因となって起こる病気、「遺伝的要因」は先天的な体質や性別、加齢などによるもの、そして「生活習慣要因」は主に食習慣、嗜好（喫煙や飲酒）、運動習慣、睡眠や休養の取り方などが原因となって発症するものを指します。

主な生活習慣病としては、高血圧、脂質異常症（高脂血症）、Ⅱ型糖尿病、高尿酸値症（痛風）、肥満症（メタボリックシンドローム）などがあり、慢性腎臓病、肺気腫、慢性気管支炎、肝炎、肺がん、大腸がん、歯周病なども生活習慣病とし考えられています。

生活習慣病は初期においては自覚症状がなく進行し、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中など重篤な心疾患や脳疾患につながります。このような生活習慣病を起因とする疾病による死亡者は、日本人の死亡者の約5割を占めるとされ、発症後、要介護状態になってしまう場合もあります。健康診断等で指摘を受けた場合、お早めにご相談ください。

糖尿病

糖尿病の中でも、運動不足、過食などの健康に好ましくない生活習慣の積み重ねで発症するものを「Ⅱ型糖尿病」と言い、生活習慣病に数えられています。他には、遺伝的要因やウイルス感染などによる自己免疫疾患などが原因で発症する「Ⅰ型糖尿病」があります。日本では６人に１人くらいの割合で、Ⅱ型糖尿病、あるいはその疑いがあると言われています。

通常、血液中の糖の濃度である血糖値は、空腹時に70～110mg／dlくらいですが、検査により、以下のような基準で糖尿病の診断が行われます。

①と②いずれも基準値を超えていると糖尿病と診断されます。また①か②のどちらかが基準値を超えるという場合は「糖尿病型」と判定され、再検査となります。そして再検査の結果、やはりどちらか一方のみが基準値を超えていると判定されると糖尿病と診断されます。

糖尿病による高血糖の状態が続くと、動脈の内膜に炎症が発生しやすくなって、それが動脈硬化へと進行し、脳疾患や心疾患発症の要因になります。また、微細な血管にもダメージを与えることで、糖尿病三大合併症とも呼ばれる「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」を引き起こし、失明したり、人工透析が必要になったり、全身障害が出たりしてしまうリスクも高まります。

糖尿病の治療としては、基本的に生活習慣の改善を図るため、食事療法や運動療法などを行いますが、それだけでは血糖値が下がらず、動脈硬化や糖尿病網膜症などの合併症のある場合は、経口血糖降下薬等による薬物療法を行います。さらに経口血糖降下薬でも血糖値が下がらない場合は、インスリン自己注射を行うことになります。

高血圧

高血圧とは、心臓から送り出された血液による動脈の内壁を押す力が高い状態のことを指します。高血圧が続くと、血管はその圧力に耐えるため、だんだん硬く、厚くなっていきます。その結果、血管の内径が狭くなり、さらに血圧が上がるという悪循環に陥ります。また硬くなり、弾力を失った血管は傷つきやすく、傷にはコレステロールなどのプラーク（垢）が付着しやすい状態となります。そのため血流はさらに滞るようになります。

このように血管が硬く厚くなったり、プラークが付いたりして血管が次第に詰まってくるのが、高血圧が引き起こす「動脈硬化」です。動脈硬化は狭心症や心筋梗塞、大動脈瘤、脳梗塞などを引き起こす要因となるもので、注意を要します。

高血圧は初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断などで指摘され、気が付くことが多いようです。検査では通常、収縮期血圧（最高血圧）が120mmHg以下、拡張期血圧（最低血圧）が80mmHg以下を正常な血圧としています。これが１回だけでなく、外来時に同条件で繰り返し測定し、収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上の場合、高血圧（症）と診断します。

高血圧の治療は、生活習慣の見直しが基本になります。塩分の摂り過ぎや、野菜不足（カリウムやミネラルの不足）、肥満、過剰な飲酒、喫煙などが高血圧の原因と考えられており、さらに運動不足や過剰なストレスなども血圧をあげる要因になるとされています。特に塩分は、1日6グラム以下に抑えることが基準となっています。

当院では、これらの生活習慣の改善をサポートし、併せて降圧剤などの薬物治療を患者様それぞれに合わせて組み合わせることにより血圧をコントロール。動脈硬化の進行を防ぎ、重篤な心疾患や脳疾患に至らぬよう、診療していきます。

脂質異常症

血液中の脂質であるコレステロールや中性脂肪の濃度が正常な範囲から外れ。そのまま放置しておくと、これらがプラークとして血管の壁の内側に溜まり、狭窄や動脈硬化を引き起こす危険性がある状態が脂質異常症です。LDL（悪玉）コレステロール値が140mg/dL以上の場合を「高LDLコレステロール血症」、中性脂肪が150mg/dL以上の場合を「高トリグリセライド血症」、HDL（善玉）コレステロール値が40mg/dLより低い場合を「低HDLコレステロール血症」と言います。

脂質異常症の治療では、まず、食事療法が重要になります。肉や卵、乳脂肪などの動物性脂肪は、コレステロールや飽和脂肪酸を含み、摂り過ぎるとコレステロール値を高めますので注意が必要です。一方、食物繊維を多く含む野菜やキノコ、海藻類は、悪玉コレステロールや中性脂肪（トリグリセライド）を減らし、HDL（善玉）コレステロールを上昇させるとされています。

また、動脈硬化は悪玉コレステロールが酸化することで進行しますので、酸化を抑える抗酸化食品を摂ることをお勧めします。緑黄色野菜などに含まれてるビタミンCや、E、ベータカロチン、赤ワインの中に含まれているポリフェノールなどに抗酸化作用が認められています。

喫煙は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールの酸化を促進して動脈硬化をより進行させるという悪影響しかなく、受動喫煙により周囲へ害を及ぼすということもありますので、禁煙することをご指導しています。

動脈硬化の進行が認められ、狭心症や心筋梗塞などの恐れがある場合は、これら生活習慣の改善に加え、薬による治療も併せて行います。薬剤としては、スタチン系薬など、LDLコレステロールや中性脂肪をコントロールする薬を用います。他にEPA・DHA製剤等を処方する場合もあります。当院では、生活習慣の改善から薬による治療までを、患者さん一人一人の状況を見つつ、組み合わせて治療を行っていきます。

高尿酸血症（痛風）

尿酸とは、プリン体という、運動や臓器を動かす際のエネルギーとなる重要な物質を分解したときにできる「カス」のようなものです。これは細胞の新陳代謝の際にも産出され、通常は1日に産出される量と排出される量のバランスが取れていますが、プリン体を含む飲食物を摂り過ぎたりしてバランスが崩れると、血液中の尿酸の量が増えてしまいます。

目安の基準としては血液中の尿酸値が7.0mg/dlで、これを超えると、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症自体に自覚症状はありませんが、進行すると痛風や尿路結石などの病気を引き起こします。

血液中の尿酸値が高い状態が続くと尿酸が結晶化して、関節等に蓄積されます。これを異物とみなして免疫反応が起こり、強い痛みを伴った炎症が発生します。この症状が「痛風」と呼ばれるものです。足の親指の付け根などに多く見られ、膝やくるぶしなどにも発症します。強い痛みや、熱、腫れなどの症状が現れ、激しい痛みの発作は数日間続きます。多くの場合、その後次第に収まりますが、繰り返し発症する場合が多く見られます。

また尿酸の結晶が腎臓に溜まると、腎臓結石となり、その結石が尿管や膀胱に移動すると、激痛を伴う発作を引き起こします。腎臓結石が慢性化すると、腎機能の低下につながってしまう危険もあります。尿酸値の高い状態を放置しておくと、関節が変形したり可動域が狭くなったり、あるいは慢性腎臓病になるリスクがありますので、してしまいますので、高尿酸血症の予防・治療が必要です。

高尿酸血症の予防・治療には特に食事習慣の改善が必要です。プリン体が多く含まれるビールや鶏卵、魚卵、肉、魚などは摂取しすぎないよう注意しましょう。アルコールには、それ自体が尿酸を高める作用がありますので、プリン体オフと謳われていても、アルコールは控えめにすることをお勧めします。さらに水分や野菜を多くとる、軽い有酸素運動をすることも有効です。ただし過度な運動、特に無酸素運動は、尿酸を産出しやすくするので、すでに尿酸値の高い人は医師にご相談ください。

食事療法や運動療法だけでは症状の改善が難しい場合、尿酸降下薬等による治療も行います。痛風の発作がみられる場合には、非ステロイド性抗炎症薬を用いることもあります。これら食事や運動などの生活習慣の改善や、薬物治療は患者様一人一人の状況に合わせて、行います。健康診断などで尿酸値が高いと指摘されたときは、お気軽にご相談ください。